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コミュニケーション設計
組織風土とコミュニケーションは切っても切れない関係です。社内でも「組織風土の問題だ」という声よりも「コミュニケーションが悪い」という声を聞く機会のほうが多いのではないでしょうか?

時代に応じたマネジメント・スタイルとコミュニケーション・スタイル

古来、日本では「阿吽の呼吸」「以心伝心」という言葉で表されるように、「言わなくてもわかる、伝わる」というコミュニケーションの文化の上に成り立ってきました。これはあえて物事を白黒ハッキリ言うのではなく、意図的にグレーなゾーンを残す曖昧な領域が存在することを意味します。しかし、この曖昧な領域の存在が相互のミス解釈を招きます。マネジメント・スタイルとコミュニケーション・スタイル

バブル崩壊以前のある意味「安定した時代」にいた多くの企業のマネジメント特性は、「答え・知恵は上(上司、先輩社員)が持っており、課題は上から降りてくる」というものでした。部下はそれを疑うことなく行えば良かった――組織はこれで十分に機能していました。ここでとられるコミュニケーション・スタイルは、指示や命令であって、強制や管理という言葉で置き換えることもできました。しかし、結果として社員の姿勢や行動は「やらされる、待つ、してもらう」という受け身のスタンスを招き、意にそぐわないと「文句を言う」ことの要因にもなりました。
これからは「変化の時代」と言われるようになり、「儲けるしくみが変化し続ける会社」が生き残る時代です。マネジメント特性としては、「答えの方向性を上が示し、現場が具体的にどうするかをつくっていく」ことが重要となります。課題も上から落とすのではなく、現場自らが課題を見出し設定していくことが要求されます。
従来以上に密なコミュニケーションが必要とされるにもかかわらず、企業全体で効率化が追及されるようになりました。時間に追われ、職場では気軽な相談がしにくくなり、会議などでは進捗確認の報告だけが求められるという企業も少なくないと思われます。従来は「阿吽の呼吸」ではありながらも、職場内はもちろん、共通の場所(喫煙室や給湯室など)では部門、年齢、性別を問わず様々な雑談がなされていました。これが意外に有益だったというベテラン勢もいることでしょう。IT化によるコミュニケーションレス(会話不要で仕事が自己完結する)も見逃せません。効率化の追求により便利になったことはたくさんありますが、かたや人として大事な関係性がどんどん希薄化しています。
さて、これからの時代のコミュニケーション・スタイルは、上司は部下に期待を示し、支援をし、自覚をうながさなければなりません。その結果、社員の姿勢や行動は「考える、相談する」ことが当たり前となり、「人の話を聞いてまずはやってみる」という行動特性が求められます。
「仕事のやり方」で効率化の追求は今後も止まることはないので、「コミュニケーションの取り方」は”バーチャル・デジタル(メール、グループウェア、その他システム)”を駆使しながら、”リアル・アナログ”のお互いがきちんと向き合う、生きたやり取りが必要になってくるのではないでしょうか?

組織構造とコミュニケーションの取り方

組織構造とコミュニケーションの取り方

「安定な時代」の企業組織構造は「階層型組織」であり、とられるコミュニケーションは「上意下達型」がほとんどでした。言うなれば、「上からの指示・命令は絶対」という世界です。現場は上から言われたことをやることが仕事のすべてです。下から意見をすることは稀です。
かたや「変化の時代」の企業組織構造は「自律分散型組織」であり、とられるコミュニケーションは「双方向」です。そして、時に縦横無尽です。その特性は、階層に関係なく相談、知恵出しのやり取りがなされ、現場に近いところで問題解決が行われ、意思決定などのスピードも速いということです。欧米のハイテク企業やIT企業では比較的多く見られるコミュニケーション・スタイルです。
変化が激しい、先が見えない時代において、どちらの組織でどのようなコミュニケーション・スタイルがより適切なのかは言うまでもありません。しかし、ここで気を付けたいことは、階層型組織や上意下達・一方通行型のコミュニケーションが必要な組織も世の中にはたくさんあるということです。例えば、軍(日本では自衛隊)や警察、消防などでは指揮官の指示・命令系統の乱れは組織の統率を乱し、隊員や部下の生死に直結することも少なくありません。もちろん、チームワークを要求される場合(例えば軍による何らかの作戦や行動)は「上意下達・一方通行型コミュニケーションの階層型組織」で進め、現場で一人ひとりが状況に応じて行動する場合(例えば自衛隊の災害救助など一刻の猶予も許されない時)は「双方向コミュニケーションの自律分散型組織」でと、状況に応じて使い分けます。

コミュニケーションの種類と質、組織の特性

(1)コミュニケーションの質的変化、方向性、場の関係

下図のピラミッドは縦方向に「コミュニケーションの種類」とコミュニケーションのやり取りにより伝わるもの、前述の2つの組織に応じたコミュニケーション、「場(☞後述)」の関係性を示したものです。コミュニケーションの種類と質、組織の特性

中央の横方向のラインは、青色の線より上の部分は双方向の特性を持つコミュニケーションで自律分散型組織で見られるものです。下の部分は上意下達・一方通行の特性を持つコミュニケーションで階層型組織で見られるものです。最下層はおしゃべり・飲み会などの言葉だけのやり取りでコミュニケーションを行うものです。コミュニケーション促進と位置付け、何度も行ったところでコミュニケーションの質はさほど上がりません。
目指すべきコミュニケーションの質は「創知」ですが、組織風土が問題となる企業は「相談」のレベルにも至っていない場合がほとんどです。例えば、新入社員はとかく「報連相(報告・連絡・相談)」と言われますが、”報告・連絡”よりも”相談“はコミュニケーションの質レベルが上です。さらにコミュニケーションのスタイルも双方向です。イメージしてもらえばわかりますが、相談は信頼している相手(他、力になってくれそうな人、勇気づけてくれそうな人など)にするものです。相談者側は自分自身の弱みを相手に見せ、話すためには相当の勇気が必要です。このコミュニケーションの土台には、相互理解や信頼関係が築かれていることです。
さて、実際の会議などの“場”を思い浮かべ、図中にある「フォーマル」「インフォーマル」の違いを報連相に当てはめると以下のようになります。

・フォーマルな場:結論を出す     ⇒ 報告・連絡
・インフォーマルな場:結論を出さない ⇒ 相談

(2)「フォーマルな場」と「インフォーマルな場」

フォーマルな場とインフォーマルな場

「フォーマルな場」の代表的なものは会議になります。「真面目に真面目な話をする」ところです。アジェンダもアウトプットも決まっていて、“報告する場”であり“決める場”でもあります。コミュニケーション・スタイルは一方通行になります。一方で、「インフォーマルな場」は、ちょっとしたミーティングや「気楽に真面目な話をする」ところです。議題はなく場所も社内ばかりとは限りません。“相談する場”であり“共有する場”でもあります。これら特性の違う「場」を1つに集約して行うと、うまくいきません。「双方向コミュニケーション」は、「インフォーマルな場」で生まれやすく、前述(2)で示したコミュニケーションの質はより高いものとなります。冒頭述べたコミュニケーションの希薄化(相談や一緒に考える場がなくなってきている、ITによる効率化で失われたものなど)を減らすことは上司・部下の間だけではなく、会社(経営)と現場、部門間のセクショナリズム(協力関係が得られない)などを減らす、または無くすためにも必要です。「フォーマルな場」以外に、いかに「インフォーマルな場」を組織的・仕組み的に仕掛けていくかが風土改革においては重要な成功要因となります(ページ末で再度示します)。

対話と意思決定、組織学習との関係性

(1)対話が組織にもたらすもの

対話が組織にもたらすもの

コミュニケーションという単語は実に都合のよいものであると同時に、その意味の解釈があまりにも広く、時に漠然となりがちです。ほんの少し部下と話をしただけで、コミュニケーションがとれていると言う上司もいます。その一方で、部下は上司とコミュニケーションがとれないと感じていることも少なくありません。例えば、コミュニケーションとは「腹を割って本音で相談できる」という認識で使っている部下からすれば、上司との二言三言の会話はコミュニケーションに値しないと感じるなどです。この場合、部下が望むコミュニケーションは一般的に「対話」と呼ばれ、「会話」とは区別されます。
対話は、何が背景で、何を感じ、何を伝えたいのかが整理・共有されていくと「共感」が生まれ、「違いが分かり、尊重する」効果が得られます。ここで初めて、いい知恵が生まれる関係性が出来上がり、いい話し合いの中で問題解決が繰り返され、組織は学習します。コミュニケーションの効果として、組織力そのものも高まっていきます。
個人としては、対話のやり取りで内省したり、他の人の発言を聞くことで気づきがうながされ、効力感と期待感が明確になります。明確になるにつれ、自律的な行動が生まれ、やがてはやりがいへとつながっていきます。このように書くと、「対話」とはなんていいことばかりなんだろう…と感じるでしょう。もちろん、「現実的にこんなことは有り得ない!」と思う人がいてもおかしくありません――そのとおり、対話がきちんとできるためには「人と人の関係性」すなわち「信頼関係」が構築されていることが前提条件となります。

(2)対話と意思決定

対話とは話し手の「主張」(伝えたいこと、自分の考え、仮説など)に対し、聞き手が「主張」で返すのではなく、「探求」(聴く、質問する、どう理解したかを伝えるなど)し合う相互の行為です。企業における対話の意義は、「より良く何かを進める」ことです。意思決定のやり方が組織に与える影響

考え、意思決定し、行動するという一連のサイクルに対話が加われば「より良いアウトプット」と「自律的な関わり」が期待できるでしょう。上図の意思決定のやり方の違いによるアウトプット、実行・行動の違い、組織力と企業体質などの違いが読み取れます。

(3)組織学習に必要な要素と関係性

社員がなかなか主体性を発揮しない、意見や考えを述べない受け身のスタンスが強いのは、「人と人がきちんと向き合い、話をする文化(=対話をする文化)」が希薄な場合に起こります。 組織の氷山モデルでは、「人と人の関係性」がお互いに牽制し合う、無関心からはじまり、「言い出しっぺが損をする」「出る杭は打たれる」という経験を重ねている人ほど、指示待ち、受け身の傾向が強くなります。

組織学習に必要な要素と関係性、対話

ピーター・センゲは著書の『学習する組織』で「対話と信頼関係」について組織学習の観点から述べています。「意見を言ってもいい」「自由に話ができる雰囲気がある」などの状態でないと、社員は「安心・安全」でないと感じます。これは、人間関係や信頼関係に大きな影響を与え、さらに社員の自発性の発揮に影響します。これらを総称して、組織風土や企業文化と言えます。「仕事をする楽しさ」「自分自身の成長実感」を体験し、「新しい仕事のやり方」に取組むようにならないと、企業の業績に対してプラスの行動特性をとることは困難です。

「言える化」の本質は「組織としての問題の顕在化」

コミュニケーションとは表面上のやり取り(会話)だけでなく、人間関係・信頼関係の土台の上に成り立ちます。双方向の「相談」以上のコミュニケーションが交わせる関係性は、組織風土が大きく関係します。業務プロセスの可視化の過程においても「見える化」だけでなく「言える化( 業務プロセス)」がまさにコミュニケーションそのもので、「見える化=ハード」「言える化=ソフト」の構図になっています。
一例として下に『TPS(トヨタ生産方式)』を模式化した図を示します。”見える”から問題解決の”行動”までの流れが書かれています。

問題発見と組織としての問題の顕在化

”伝達(comunication)”を2段階に分解して考えてみます。問題発見をして、社員は他の人にコミュニケーション(伝達)をして共有します。次以降が問題です。共有された問題を職場、部門内に留めておくか、しかるべき部門や経営層に伝えるかどうかということです。
『組織風土』の最初に示した「企業不祥事」でマスメディアに取り上げられた企業は、経営層だけで悪さをしたというケース以外では以下a) b)のいずれかに該当します。
a)「問題である」ということを認識していたにもかかわらず、しかるべき部門や経営層に伝わっていなかったもの(=現場が伝えていなかった)
b)しかるべき部門や経営層は問題発見の報告を受けていたにもかかわらず、対策を講じなかった
現場で問題発見の時にとられるコミュニケーションと、当該部門や経営層に伝えられたコミュニケーション――この両方ともにコミュニケーションであることに間違いはありませんが、種類は異なります。a)は最初に「どうしたものか…」と悩みながら上司に報告をして、上司と一緒になって何らかの会話をしたはずです。そこで「やばい!」ということになり、上司が経営層に報告せずにもみ消すか、いち早くマイナス情報として経営層に報告するか否かは上司次第です。仮に「お前が責任を取って辞めろ!」と経営層が言うとわかっていたら、上司は問題を自部門で何とかしようとするでしょうし、経営層にすら報告せず、自分の行動を正当化するはずです。
例えば、人の生死に直結する製品やサービスを行っている企業を考えてみましょう。企業使命や倫理観の元、命にかかわる」となれば自社が損をしても、世の中に製品回収などのアナウンス(説明責任)をして「自社製品を買ったお客様に死者が出た」ということは絶対に避けるのが筋でしょう。
「現場ではおかしいことはわかっていた…しかし会社として問題であるという認識でなかった」ということが問題です。「問題発見」と「(組織としての)問題の顕在化」は異なるということです。組織風土の概要で示した企業不祥事も同じメカニズムで発生する場合が多いです。問題の顕在化には「言える化」が必須、「見える化」と「言える化」は車の両輪そのものです。たかがコミュニケーションと侮ることなく、様々なコミュニケーション(会話・対話、質、相手)がとれる関係性なのか、組織なのかを今一度考えて、自社の組織風土をよくするためにはどのようなコミュニケーション・スタイルが適切であるべきかをきちんと考えることが大切です。

「場」をうまく活かしたコミュニケーションづくり

コミュニケーションの質、組織の特性(上意下達/階層型、双方向/自律分散)をベースに、「インフォーマルな場」を増やしていく――理想は自然発生的に増えることですが、最初はあえて会社がインフォーマルな場を設置し、後押しをしても良いでしょう。

場の伝搬

じっくりと腰を据えて人と人が向き合い対話を重ねる…そこで問題解決がなされ、新たな知恵が生まれてくる場には、自発的で内発的動機が総じて高い人が集まるものです。他人から「義務だから、責任だから」と言われて仕事をするよりも、「こんなアイデアがある、こうしたらもっとうまくいくのでは!?」という会話をしながら仕事をしませんか?
カレンコンサルティングは、コミュニケーションの取り方と関係性に重点を置き、組織風土の変革をお手伝いいたします。

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