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業務プロセス

Ⅲ:業務標準化・プロセス設計

業務標準化・プロセス設計

業務標準化に向けた分析

業務標準化は、業務フローを使いながら、下図の業務分析を行うところから始まります。

業務標準化のための業務分析と流れ

例えば、業務量(負荷)分析を行う理由は、誰に何の業務が集中しているのか。逆に、誰が時間を持て余しているのか等の業務の負荷を見えるようにするためです。この分析の後に、業務のパターンをいくつかに整理していきます。このときに必要となるのが、共通の基準です。どのような基準でパターンを見つけていくか。また何を一つのパターンとして判断していくのか。この基準を作るために必要となってくるのが、ポリシーです。

業務標準化・標準業務プロセス設計の流れ

(1)ポリシーの策定

ポリシーを策定するということは、標準化を考えるときの方針や原則を決めるということです。一見、難しそうに感じるかもしれません。絶対に外せない条件を洗い出していくことで、ポリシーは策定できます。
例えば、書類を多く取り扱う事務業務において、絶対に外せない条件とは次のようなものになるでしょう。
・書類(エビデンス)は必ず残す
・未完全な業務プロセスは、後工程に流さない
・内部統制、コンプライアンスは遵守する
以上の事項は、絶対に外せない代表的な条件(Must要件)ではないでしょうか。同時に会社の戦略も抑えておきます。そして、上記例のようなオペレーションレベルで外せない条件と、戦略的に外せない条件を兼ね備えたポリシーを策定していきます。

(2)標準化業務の選定

標準化する業務を選定していきます。選定する際には、組織としての機能定義を再確認すると共に、業務範囲も再確認していきます。ここの認識が異なると、話が進んだときに振り出しに戻る事態を招いてしまいます。標準化する業務の選定においては、定形業務比率の高い業務とノンコア業務を優先的に選定します。また、業務の入口と出口は明確にしていきます。業務によっては、はっきりしていないグレーな部分があると思いますが、ここでは極力グレーの領域を排除していきます。

(3)基本業務プロセスの設計

標準化する対象となった各業務の基本的な業務プロセスの要素を検討し、共通認識を持ちます。要素を抽出する際には、業務プロセスに関連するルールやシステム、ドキュメントも一緒に洗い出していきます。ルールやシステム、ドキュメントは単体で抽出するよりも、業務プロセスと一緒に考えた方がやりやすいでしょう。ここまで出来上がってくると、いくつかのパターンや場合分けが見えてくるでしょう。例えば、相手先が異なることや使うシステムが異なるなど、3つくらいのパターンに絞ります。業務によっては相手先に依存しており、こちら側が変えられないものもあるでしょう。そういった制約条件がある業務と自分たちの意志でやり方を変えられる業務とを分けていきます。そして、そのパターンごとに標準業務プロセスを設計していきます。

(4)標準業務プロセスの設計

3つくらいのパターンに分けた、もしくは場合分けした業務の標準業務プロセスを設計していきます。まずは、それぞれの現状の業務フローを確認します。下図にあるパターン1とパターン2の場合を見てみます。
標準業務プロセスの設計

パターン1はお客様と、パターン2は他部門とやり取りをしている業務です。
パターン1は、お客さまにシステムで作成したドキュメントをメール添付して送っています。そして、お客さまに内容を確認してもらい、返事をいただきます。最後はシステムからドキュメントを印刷して郵送しています。これに対し、パターン2の他部門とのやり取りの際には、システム経由でドキュメントをやり取りしているので、メール添付や印刷して郵送といった手間はありません。唯一、内容確認の連絡をメールで行うのみで、あとは期日までに内容確認をしてもらえれば、連絡を待たずして処理を進め、完成させることができます。
この2つのパターンは自部門の業務内容は変わらないですが、相手先が異なるので伝達手段や使用しているシステム、ドキュメントが異なります。このような違いを見出していきます。そして、先ほど決めたポリシーに即し、決めるべき事項は決め、おおまかな流れを統一させます。
一度、複雑になった業務をシンプルにするのは難しいと思われがちですが、業務のパターンを見極めることができれば、考えやすくなります。標準業務プロセスを作っているときに迷いがでたら、ポリシーを読み返し、自分たちはどのような標準業務プロセスを作ろうとしていたのか、再確認しながら進めてください。

業務プロセス設計で欠かせない「仕組み」との関係

業務プロセスと仕組みの整合性

業務改善等で業務プロセスが変更になる、新たに設計をし直すと、これらに伴って組織設計を変更する必要に迫られます。なぜなら、仕事の流れが変わると前後工程の部門とのやり取りが変わる、業務の範囲が変わる(広がるまたは狭くなる、新たに追加になる等)が起こるからです。しかし、業務プロセスを設計する時に、組織のことまで検討が至らないため、新業務プロセスで運用段階になってから問題が噴出することが少なくありません。
また、業務の範囲が変わり、業務の内容も変わる場合は社内規程や人事評価制度等の目標設定にまで影響を及ぼすため、これらも業務プロセスと整合をとる必要があります。標準業務プロセスができた時には業務マニュアルを作りたいという人も多いことでしょうし、システム導入まで見据えている人もいることでしょう。

カレンコンサルティングは、業務プロセス設計や標準業務プロセスを構築して終わりにはしません。業務プロセスを既存の仕組みから新しい仕組みへと変え、運用に至るまでをワンストップでご支援します。

(1)組織設計 (2)規程・制度との整合性

下図をご覧ください。共に前工程(営業部門)から後工程(経理部門)へとつながる業務プロセスの一例です。ここでは、営業部門がお客さまから”A:契約書”と”B:エビデンス”を受領し、後工程の経理部門にこれらA,Bを渡すというシンプルなプロセスです。この会社では「契約書とそのエビデンスの両方が揃っていないと売上計上できない」と経理規程上、定まっているものとします。

組織・部門の責任範囲、業務プロセス

図中、縦の赤線が部門の業務境界線であり、目に見えるものではありません。したがって、左図・右図においては業務プロセス上はまったく同じですが、業務境界線で異なることに気づくでしょう。営業部門の業務責任範囲(クロージングなど)が異なり、「営業の責任範囲はどこまで??」となりませんか。 契約書の件数で営業マンのインセンティブが決まる場合など、右図の行動をとりがちです。あとはここで示さなくとも予測がつくでしょう。
このように業務プロセスの観点で組織を見ることによって、組織・部門の責任範囲の曖昧なところが明確になります。これらは組織設計の基本的な部分です。
規程の観点で見れば、業務プロセスの実態(業務フロー)と経理規程がそぐわないなどとコンプライアンス上の問題となります。
ここでは業務プロセスを模式的に示していますが、業務フローを眺めているだけでなく、組織や規程・制度の観点でじっくり業務プロセスを検討し、設計することで効率の良い業務フローが出来上がり、組織の責任範囲も明確になり、さらにコンプライアンス上の問題も起こり得ない――このような業務プロセス設計を常に心掛けていくことが重要です。

(3)業務マニュアルづくり

業務標準化により標準業務プロセスが構築できた、あるいは新たな業務プロセスが出来上がり運用の目処も立った場合、完成した業務フローを用いて業務マニュアルや作業手順書等を作ることがあります。活用例としては、業務の引継ぎをスムーズに行うため、または人材育成を目的とする場合も多く見られます。せっかく出来た業務フローをうまく活用することで、新たな成果物である業務マニュアル等を目の前にして、現場の社員の達成感はもちろんのこと、自らの業務への親近感もわくのではないでしょうか。

カレンコンサルティングは、業務プロセスに関する圧倒的な知識と経験、豊富なノウハウ等を保有しています。私たちはこれらの資料や知見を提供することを惜しみません。私たちと一緒に考えて新しい仕事のやり方を作り上げていきましょう。

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